JOIプログラムとは? About JOI program

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JOIプログラムとは?

本プログラムは、米国の草の根レベルで日本への関心と理解を深めることを目的に、地域に根ざした交流を進めるためのコーディネーターを2年間米国に派遣する事業です。活動を通して日本の草の根交流の担い手を育成するのも本プログラムのねらいです。
2002年度より、米国の非営利団体ローラシアン協会と共同で本プログラムを実施しています。

今までの派遣人数 93名
これまでに第1期から第20期まで、日本全国そして海外在住の日本人から選抜された、多様な年齢層の93名を派遣しています
受入機関 大学・日米協会・非営利団体など
そのほか日本庭園、美術館、博物館、教育省など、派遣先は多岐にわたります
アウトリーチ数 112万人
コーディネーターによるアウトリーチ活動に参加した人数は延べ113万人にのぼります(2022年6月末現在)

コーディネーターの活動について知る

コーディネーターの活動内容

コーディネーターは、日本との交流の機会が比較的少ない米国の南部・中西部・山岳部地域の大学などに派遣され、地域の学校や図書館で日本食、学校生活など、幅広い日本文化の紹介に加え、姉妹都市交流や日米学生の交流プログラムなど現地と日本の交流関係づくりに携わります。

コーディネーターの活動事例

活動場所や種類は、受入機関の責任者であるスーパーバイザーと相談して決めますが、以下は代表例です。

学校訪問

学校訪問ではクラスごとに折り紙や書道などの日本文化を紹介したり、学校や学年全員を対象とした大型のイベントを企画することもあります。

大学内での活動

大学のジャパンクラブのイベントを実施したり、日本語授業のサポートをしたり、大学内の様々な日本関連の事業に関わります。

地域コミュニティでの活動

図書館、教会、シニアセンターなどでの日本文化ワークショップの開催、日本祭りの企画・運営、日本語キャンプの開催に協力します。

他団体との連携

姉妹都市委員会や日米協会、日本語補習校、日系企業などと連携し、訪日旅行の計画・手配、イベントやビジネスマナー講座などの企画・運営を行います。

オフィスワーク

オフィスでの事務作業も大切なJOIコーディネーターの仕事で、受付や電話対応、通訳・翻訳業務、会員募集など様々なオフィスワークを行います。

1日のスケジュール

6:00
7:00
起床
8:00
9:00
車で出勤
メールチェック
スーパーバイザーと打合せ
プレゼンテーション資料の準備
10:00
11:00
12:00
同僚と昼食
13:00
小学校訪問
低学年クラスでのプレゼン
高学年クラスでのプレゼン
14:00
15:00
16:00
オフィスへ戻る
メールチェック、オフィス電話対応
17:00
18:00
帰宅・夕食
19:00
現地クラブ活動の練習
20:00
21:00
帰宅
22:00
23:00
就寝
0:00
出勤・メールチェック
出勤・
メールチェック
小学校訪問
小学校訪問
現地クラブ活動の練習
現地クラブ活動
の練習
6:00
7:00
8:00
起床・朝食
9:00
友人と合流。
車で1時間先の自然公園へ
10:00
11:00
12:00
昼食
13:00
映画館で気になっていた最新作を鑑賞
14:00
15:00
16:00
アジアスーパーへ買い出し
17:00
帰宅・夕食
18:00
19:00
大学内のジムで運動
20:00
帰宅
21:00
日本の友達とテレビ電話
22:00
23:00
就寝
0:00
自然公園
自然公園
映画鑑賞
映画鑑賞
アジアスーパーへ買い出し
アジアスーパーへ
買い出し

※国際交流基金日米センター(CGP)は2022年4月より国際対話部となりました。

2年間の流れ

1年目(大学派遣の例)
着後研修(8月)
着後研修(8月)

着後研修で、アウトリーチ活動のレッスンやアメリカ生活に関する講義を受けます。2年目の先輩コーディネーターも参加しているので、いろいろな相談に乗ってもらいます。この研修が終わると、それぞれの赴任地へ旅立っていき、いよいよJOIコーディネーターとしての活動と生活が始まります!

着後研修(8月)
車の購入

生活の立ち上げの中で最も重要なことの一つが車の購入です。生活も活動も車無しでは成り立たない場所がほとんどですので、2年間を共にする”相棒”となる頼れる車を探し、購入します。もちろん、運転免許の取得も車探しと平行して行います。

着後研修(8月)
サイトビジット(11月)

1年目のコーディネーターの着任約3か月後に、サイトビジットと呼ばれるスタッフによる視察が行われます。
コーディネーターやスーパーバイザーとの面談を通し、コーディネーターの現地での生活や活動のスムーズなスタートを確認し、フィードバックなどを行います。

着後研修(8月)
活動の様子

派遣先のニーズに合わせ、スーパーバイザーと相談しながら活動を行います。
慣れてくると、自分で開拓したアウトリーチ先や、リクエストをもらった団体を訪れて活動の幅を広げていきます。

2年目(大学派遣の例)
着後研修(8月)
活動の様子

アメリカの学校の夏休みは数か月に渡り長いので、その間、学童保育のような形で、大学や非営利団体が「サマーキャンプ」を実施しています。一般的な山に行くキャンプではなく、1週間程度のプログラムを指すことが多く、JOIコーディネーターが一部のセッションの企画・実施を任される事もあります。

着後研修(8月)
2年目夏期研修(8月)

2年目の夏期研修で久々に同期と再会します。また今度は自分が先輩として後輩を指導し、新規コーディネーターを励ます立場となります。研修の場は、離れていても、情報共有をしながら切磋琢磨していく同期と一同に介せる貴重な機会でもあり、先輩・後輩の絆も深まるJOIプログラムの醍醐味のひとつです。

着後研修(8月)
サステナビリティへの意識

2年間の任期が終わった後も、派遣先・周辺地域での日本文化紹介活動が継続されるように、「サステナビリティ」を念頭に置き活動を進めます。コンタクトリストの作成や、プレゼンテーション資料の整理に加え、それらの説明書作成、スタッフへの使い方指導、文化備品のラベリングなど、多岐に渡ります。

着後研修(8月)
大規模イベントの企画・運営

2年目の活動の終盤では、これまでに築いた人脈や経験を活かした比較的大きなイベントを実施することも。中には数百人~数千人が参加する大掛かりなイベントもあります。

コーディネーターの活動報告

島田 優美 Yumi Shimada
第18期 チャタヌーガ/テネシー大学 チャタヌーガ校
テネシー州

波乱の2年間

2019年夏、アトランタでの研修を終え、たくさんのワクワクとドキドキを抱えて、スーパーバイザーとともにホストサイトであるテネシー州チャタヌーガに車で向かったのを今でも鮮明に覚えています。
チャタヌーガはアトランタから車で約2 時間のところに位置する「南部の絶景の中心地」と呼ばれる中都市で、自然豊かな美しいところです。私はここでたくさんの人と出会い、支えられ、JOIコーディネーターとしての2 年間の任期を無事に終えることができました。
派遣されてから約半年後に新型コロナ・ウイルスが世界中で猛威を振るい、パンデミックの真っ只中での活動となってしまいましたが、想像をはるかに超える貴重な経験となりました。2年間のJOIの活動を振り返り、特に印象に残っている活動をいくつか紹介したいと思います。

まず私は派遣されてまもなく、Park(ing)­ Dayという屋外イベントに参加し、日本文化の 展示、お箸チャレンジ、折り紙などを行いました。平日の昼間にもかかわらず、たくさんの人がブースに立ち寄ってくれたのを覚えています。
地域の中学生の団体が「お箸使えるよ!こんなの簡単だよ!」と言いながら、お箸チャレンジに苦戦していたのも印象に残っています。また、私は後にディスカバリーミュージアムとパートナーシップを結び活動することになりますが、ミュージアムの責任者との出会いもこのイベントでした。JOIとして初めてのアクティビティは、良い出会いとボランティアで集まってくれた学生との絆を深めてくれました。

JOI一年目の活動の中で最も成功したのは、2020年2月にチャタヌーガの映画館で開催したイベントです。在ナッシュビル日本国総領事館と協力して日本の映画「杉原千畝物語」を上映しました。この映画は、何千人ものユダヤ人を救うためにキャリアを危険にさらした日本人の外交官の実話です。
私のホストファミリーがユダヤ人家族だったということもあり、チャタヌーガのコミュニティでこの映画を紹介したいと考えました。

映画上映の前には、「杉原サバイバー」の娘であるSonia Milrod氏をゲストスピーカーとして招き、彼女の貴重な家族の話を聞くことができました。
また、当時着任したばかりの福嶌香代子総領事にもスピーチをしていただき、とても有意義なイベントとなりました。約70 名の方にご来場いただき、実施したアンケートでは、「映画を通して日本の歴史について学びました。」「日本のことをもっと知りたいです。」など、多くの好評をいただきました。
新型コロナ・ウイルスがアメリカで広まり始めた3 月中旬からは、予定してあった対面で行うイベントはすべて中止となり、オンラインでの活動に切り替わりました。最初は在宅勤務という新しい状況に慣れるのが大変でしたが、Zoomを利用したオンラインイベントや日本語学習用の動画作成など、柔軟に対応しました。

2020年8月に開催した2週間に渡るオンラインイベントでは、日本の文化、教育、ビジネス、食、祭り、ポップカルチャー、旅行、言語など、さまざまなトピックを取り上げ、合計209 名の方にご参加いただきました。チャタヌーガ地域だけでなく、他の州、さらにはインドネシアからも参加者がいました。参加者からは「日本とアメリカの対比は非常に興味深いものでした。」「日本文化を学ぶのはとても面白かったです。いつか訪れたいと思っています。」などの感想をいただきました。
活動がオンラインになったことで地域の枠を超えて、より多くの人に日本文化を伝えることができるようになったのはメリットだと感じました。また普段のオンラインイベントに加えて、さらに日本への関心を深めてほしいという思いから、「Learn and Train with Samurai in Tokyo」と「Try Drawing Manga Illustration with a Pro .」という2つのAirbnb experienceを大学の職員と学生を対象に共催しました。Airbnb experience では、様々な人がそれぞれの才能を生かしたプログラムを提供しています。オンラインでプロから学ぶことができる素晴らしいサービスで、私自身も含めて、侍についてや漫画の描き方についての知識を得ることができ、とても良い経験になりました。
最後のイベントとして、地元チャタヌーガのお店である'’I Go Tokyo"と共同で、日本の夏祭りを開催しました。このイベントでは、日本の祭り でお馴染みの焼きそばやたこ焼き、ヨーヨー釣りや金魚すくい、盆踊りなど、日本の伝統的な夏祭りをチャタヌーガで再現することができました。計画期間が短かったにもかかわらず、多くの人のサポートと力量で大成功を収めることができました。

私の2年間では、スーパーバイザーが2回変わり、ホストファミリーも2 回変わり、パンデミック、一時帰国、再渡米など本当に盛りだくさんでしたが、どれも自分が成長できる経験でした。
最後に、2年間にわたり活動を支えて下さった、テネシー大学チャタヌーガ校の皆様、周辺地域の皆様、そしてコロナ禍にもかかわらず、プログラム存続のために奮闘していただいた国際交流基金、ローラシアン協会のスタッフの皆様に感謝の意を表したいです。そしてプログラムの更なる発展を願っております。

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末松 大輝 Daiki Suematsu
第18期 ジャクソン/ジャクソン州立大学
ミシシッピ州

日本とミシシッピ州を結ぶ

「ミシシッピ州?川があるところ?」初めて派遣先を聞いた時、私の唯一知っていた情報は、ミシシッピ川という名前だけでした。

そんな場所で 2 年間を過こした今、ミシシッピ州ジャクソンは、自分が生まれた大阪に次いで世界で2 番目に親しみのある場所となりました。

派遣された当初、まだ2年間を過ごす滞在先が決まっておらず、ホームステイをして1ヵ月間を過こしました。家には親と同世代のご夫婦、猫、犬、そして広い庭にはお父さんが飼育している十数頭の馬がいました。
また、庭の池に野生のワニが生息していたことは、ミシシッピで初めてのカルチャーショックだったと思います。滞在初日はお母さんが出張でおらず、まだ耳が英語に慣れていない中、お父さんとなんとか会話したことを覚えています。彼らはとても優しく、本当の家族のように自分に接してくれました。
1ヵ月が過ぎ、アパートに引っ越してからも「自分の家だと思っていつでも来ていいよ」と家の鍵を渡してくれたので、休みの日にはよく帰りました。 ミシシッピ州で快適な生活ができたのは、彼らと、派遣先の大学のスーパーバイザーのおかげです。
彼は私が車を買うまでの期間、毎日往復 2 時間かけて職場(大学)へ送り迎えをしてくれました。彼が上司として、また親しい友人として、私が活動を行う中で沢山のアドバイスやサポートを与えてくれたことに、心から感謝しています。

私の派遣された大学は、JOIプログラムとして初のHistorically Black Colleges and Universitiesと呼ばれる歴史的黒人大学の1つです。始めの頃は大学内で運営されている Kids Kollege (小学生の為の放課後学級のような場所)と地域の小学校で活動し、また大学内に日本語クラスも開設しました。
Kids Kollege や地域の小学校では、日本文化に関するプレゼンや折り紙、お箸を使ったゲームなどを行いました。いくつかの小学校に行って感じたのは、日本と違い、小学校ことにまったく特色が異なるということです。
ただ、好奇心旺盛であることはどこの子どもたちも変わらず、プレゼンでは毎回多くの質問をもらい、またアクティビティにはどの子も楽しそうに参加してくれたので、とてもやりがいを感じることができました。日本語クラス開設時は、まず生徒募集の為に、新入生歓迎イベントにブースを出しました。
イベント会場ではDJが音楽を流していて、ブースの横で在学生たちが輪を作って踊っていました。私も踊ることが好きで、その場でリズムに乗っていると、在学生の1 人が私を輪の中に誘ってくれたので輪の中心で踊りました。それをきっかけに、多くの学生が私の日本語クラスにも関心を持ち、サインアップしてくれた為、勧誘は大成功に終わりました。

この2年間を振り返る中で、渡米から半年程して起こったパンデミックは良くも悪くも大きな転機となりました。子どもたちと直接会えなくなったことやコミュニティの人たちとの交流を広げることができなくなったことは大変残念でした。
しかし代わりに、オンラインでの活動の方法や多くのテクノロジーを学ぶ機会となったことは、大きな財産になりました。オンラインでは、バーチャルでの日本旅行や日本独特のマスクの使い方、ビジネスマナーについてのプレゼン、日本に関するトリビアクイズイベントや日本のパーティーゲームを体験してもらうなど色々なことを企画しました。
また、日本語クラスもオンラインで継続しました。多種多様なアプリやウェブサイトを活用することで、オンラインの活動でも充実した内容を提供できたと感じています。 この2年間で最も大きな成果は、ミシシッピ州でおそらく初となるミシシッピ日本祭りの企画・開催です。
ルイジアナ、テネシー、フロリダ、ワシントン、ニューヨークなどの遠く離れた場所から、太鼓やけん玉、剣道、居合道、日本舞踊、茶道などのパフォーマーに参加してもらい、浴衣の試着体験やスーパーボールすくいなど沢山のブースを準備した結果、約1,600 人もの人達が来場して下さいました。地元のテレビ局が取材に来ただけでなく、多くの参加者から「素晴らしいイベントですね」「来年もありますか?」「開催してくれてありがとう」といった嬉しいフィードバックを聞くことができ、大きな達成感と一生忘れられない思い出を得ることができました。

ミシシッピ州在住の日本人はとても少なく、日本文化に触れる機会は滅多にありません。しか し、JOIの活動を通じて多くの人が日本文化に関心を持って下さいました。「日本に行ってみたい」と言って下さった人たちも沢山います。
また同時に、活動を通じて私自身も日本の良さを再認識することができました。今後は日本の子どもたちに ミシシッピやアメリカのことを知ってもらい、双 方が関心を持って交流を広げていけるよう貢献していきたいです。素晴らしい2年間を本当にありがとうございました。

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新明 桐香 Kirika Shimmei
第18期 アバディーン/ノーザン州立大学
サウスダコタ州

サウスダコタ州での2年間

JOIコーディネーターとして初のサウスダコタ州(ノーザン州立大学、アバディーン)に派遣されました。不安と期待を持ちながら出発日を迎えたことを今でも鮮明に覚えています。
活動の半分以上をパンデミックによってオンラインで行うことになりましたが、そんな中でもアウトリーチの機会を与えてくださった学校の先生方、地域団体の方々、日本からの活動に切り替わった時に手伝ってくれたスーパーバイザー、同僚には感謝の気持ちでいっぱいです。

JOI参加前にアメリカでの留学経験があったので現地での生活にあまり不安はありませんでしたが、中西部には初めて足を踏み入れました。10月初旬に雪が降ったり、自宅のドアが寒すぎて内側から凍った時など、極寒の冬には驚きました。 また、人生のほとんどを東京で過こしてきたこともあり、マウントラッシュモアがあるラピッドシティーを訪れた際は、アメリカの大自然に圧倒されました。
カスター州立公園でバッファローの群れに囲まれたり、バッドランズ国立公園で夕日を見たときは感動して涙が自然と流れました。JOIの活動だけでなく、新しいアメリカを見られたことは私の人生において忘れられない経験です。

サウスダコタ州では日本文化に触れる機会は極端に少なく、自分が日本の代表として日本文化を伝える仕事にとても大きな責任があったことと、コネクション作りなどゼロからスタートに多くの不安がありましたが、スーパーバイザーや多くの先生たち、地域の皆さんのおかげで少しずつですが活動範囲を広げることができました。
小学校訪問、図書館や老人ホームでのクッキングイベント、茶道・書道イベント、ノーザン州立大学での映画鑑賞会、ユーチューブチャンネルの立ち上げ、動画作成、3 時間離れたスーフォールズでの刑務所訪問など沢山の活動の思い出があります。
毎回、「日本の素晴らしい文化を知れる機会をありがとう」と感謝の言葉を各方面から頂きました。その中でも最も力を入れ印象に残っている活動は学校訪問です。一番初めに訪れたモンテッソーリ・スクールは活動を始めるにあたって多くの学びとその後の活動のよい指標になりました。3 歳から5歳の子どもたちと一緒に折り紙で犬を作り、日本の伝統的なおもちゃ(コマ、けん玉、羽子板など)で一緒に遊びました。3 歳から5 歳というとまだアルファベットが読めない子どもたちが多く、身振り手振りでコミュニケーションをとりレッスンをしたことをよく覚えています。
学校訪問で心掛けていたことは、プレゼンテーションで日本の祝日や日本の学校でやるイベントを紹介し、アクティビティでプレゼンテーションに関連のあることや形が残るものを作り、家で親御さんに伝えられる授業作りをしたことです。アバディーンには5つの小学校があり、2 年間の活動ですべての学校の3 · 4 年生を中心に学校訪問をすることができました。

月に数回の学校訪問があり、初めて訪問するクラスでのプレゼンテーションでは「日本の学校生活」について話しました。通学方法の違いや、給食、掃除の時間などアメリカの学校との違いを中心に紹介しました。
また、「起立·礼・着席」を紹介し授業の前後で一緒にやってみたりしました。特に嬉しかったことは、子どもたちが「起立・礼・着席」を気に入って継続してくれたクラスがあったことです。
アクティビティではプチ運動会や子どもたちの名前をカタカナで教えオリジナルの本のしおり作り、節分の鬼のマスク作り、お箸チャレンジなどを行いました。特に好評だったアクティビティのお箸チャレンジでは、ほとんどの子どもたちが箸を使うことが初めてで、最初はうまく使えなかったものの、練習を重ねて、物をつかめるようになった時の子どもたちの笑顔は今でも忘れられません。
色々なアクティビティを行いましたが、毎回子どもたちの想像力と好奇心、チャレンジ精神に感銘を受けました。パンデミックという未曽有の状況になってしまった後も、YMCA とノーザン州立大学の同僚に協力してもらいながら、子どもたちとの交流をオンラインで約 1年続けました。
オンライン授業開始初期は子どもたちの反応が見えづらく、折り紙などの手元で行うアクティビティに難しさを感じた時期もありました。
しかし、回を重ねることに私も言葉選び、カメラアングルなどを工夫し、できるだけオンラインでもわかりやすい授業作りを心掛け、担当者の方から「子どもたちが本当に楽しんで新しい文化に触れている姿を見られて嬉しい。本当にありがとう。」と最後に嬉しいお言葉を頂きました。
さらに、日本からの活動に切り替わった際は、スーパーバイザーの紹介で小学校、高校のクラスでアウトリーチを行う機会もありました。ある日突然スーパーバイザーから日本の自宅に小包が届き、中に小学生からの感謝の手紙が入っていた時はJOIの活動をやっていてよかったと思いました。

パンデミックで思うように活動ができない時期が長かったですが、その分、今自分ができることを試行錯誤しながら模索し、 2年間の任期を終えた今、人として強く成長できました。
また、活動中のサポートから再渡米まで、関係者の皆様のご尽力に感謝いたします。

 

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JOIプログラムのサポート

待遇について

当プログラムの規定に基づき、以下が支給されます。

  1. 生活補助費 月1,280米ドル
  2. 住居(ホームステイ、大学の寮、アパートのいずれかが米側受入機関から供与されます。)
  3. 渡米前オリエンテーション、帰国報告会に参加する際の交通費
  4. 健康診断受診補助費 15,000円(上限)
  5. J-1ビザ取得にかかる費用、ビザ取得面接にかかる交通費
  6. 赴任、帰任にかかる日米往復国際航空賃
  7. 海外旅行保険加入補助費 年間243,665円(上限、2022年度実績)
  8. 車両購入補助費 5,000米ドル
  9. 車両保険加入補助費、AAA(全米自動車協会)加入補助費
  10. 支度料・移転料(赴任時のみ)、着後手当(帰任時のみ)

※その他、現地での活動に必要な交通費補助、教材購入費補助などが受入機関に支給されます。
※給与は支給されません。

研修・サポート体制

着任後は、基本的に派遣先の上司であるスーパーバイザーと相談して生活の立ち上げや業務を行いますが、適宜、ローラシアン協会の米国スタッフも相談受付の窓口となります。また、2年間の間に以下の研修も設けています。

  • 渡米前研修(日本)3日程度
  • 着後研修(米国)10日程度
  • 秋期研修(米国)4日程度
  • 2年目夏期研修(米国)3日程度

求められること

  • コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力
  • 自主性、社交性、柔軟性、創造性
  • 異文化適応力。海外経験(留学、就業等)があれば、なお可
  • 日本の文化(伝統文化ならびにポップカルチャー)、歴史、地理などに関する基本的な知識。または、それらの知識を自主的に習得する意欲があること
  • 社会人経験、ボランティア経験があれば望ましい

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