イリノイ州 Illinois
州の情報
- シャンペーン

州都 | Springfield/スプリングフィールド |
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人口 | 1,281万 |
主要都市 | Chicago/シカゴ Aurora/オーロラ |
主な観光地 | シカゴ観光 エイブラハム・リンカーン大統領博物館 |
州の紹介
「大草原の州」のニックネームを持つイリノイは、1818年に21番目のアメリカ合衆国州となりました。第16代大統領のゆかりの地であるイリノイ州は、「リンカーンの地」とも呼ばれます。世界的都市であるシカゴは、歴史的建造物、ショッピング、シカゴ美術館などの文化施設、リバークルーズなど観光面で人気があるだけでなく、米国第3位の大都市であり、ビジネス界でも重要な拠点として全世界から多くの人々が訪れています。州都スプリングフィールドには、高さで有名なイリノイ州議事堂があり、リンカーン前大統領の半生やイリノイ州の歴史について学べるエイブラハム・リンカーン大統領博物館などの施設が充実しています。
この州に派遣されたコーディネーター
仲間と築いた日本文化の輪
2年前、不安だらけでイリノイ州シャンペーンに降り立ったことを今でも覚えています。一体どんな生活が待っているのか、JOIコーディネーターとしてきちんと大学やコミュニティーのために貢献できるのかと不安と期待が入り混じった複雑な気持ちでした。しかしそんな不安もしばらくすると消え、アメリカでの新しい生活を楽しんでいる自分がいました。最初は右側通行に慣れず度々逆走してしまうこともあった車の運転も、慣れた頃にはコーン畑を横目に見ながら爽快に道路を走り抜ける感覚が好きになり、いつの間にかドライブすることが趣味になっていました。

「たくさんの人と日本文化の素晴らしさを共有したい、日本を好きになってもらいたい」と思い応募したJOIプログラムでしたが、2年間を振り返ってみて十分多くの人に日本文化を知ってもらえたと思う反面、もう少し頑張ればもっとアウトリーチができたのではないかという思いも残っています。1年目は学校訪問があまりできなかったこともあり、2年目は精力的に学校訪問を行うことにしました。まずは、私がJOIコーディネーターとしてイリノイ大学に在籍しているということを宣伝する事から始まりましたが、この宣伝活動が予想をはるかに超えて難航しました。
当初私は、活動拠点周辺ではあまり知られていない日本文化だからこそ学校の先生方が興味を持ってプレゼンテーションの依頼をして下さるという安易な考えでいました。しかし、いくつもの学校に連絡を取っても一向に返事が来ないという状態がしばらく続きました。誰も日本文化に関心がないのではとさえ思い始めどうしていいのかわからないまま、でも根気よく連絡をし続けていると、ある日、プレゼンテーションの依頼が来始めました。このようにして、少しずつゆっくりとしたペースで学校訪問を続けていくうちに、口コミでも情報が広まって多くの学校から依頼が来るようになりました。
訪問先の先生からは、イリノイ州南部の学校は国際交流が非常に少ないので、絶対に行ったほうがいいというアドバイスをいただき、南部にある学校にも足を伸ばしました。時には片道2時間以上もかかる学校へ行くこともあり、早朝4時起きで家を出発しなければいけないような体力的にかなりきつい日もありましたが、生徒たちのうれしそうな顔と活き活きとした目を見ると本当に来てよかったと思うことができました。

プレゼンテーションの内容は、書道、折り紙、日本の学校生活や食生活、ビジネスマナーなど様々でした。毎回プレゼンテーションを終えた後、「いつか絶対に日本に行きたい」と生徒たちが言ってくれたことや「生徒たちが世界に目を向ける重要な機会になりました。来てくれて本当にありがとう」という先生からの言葉も活動の大きな支えとなりました。学校訪問は小さく地道な活動ですが、日本ファンを確実に増やすことができ、それを直接感じることができる素晴らしいものでした。
2年間の活動の中で一番大きく、大変だったのが2013年9月に行った英語落語イベントです。大変だった分、思い入れがあり一番心に残っているイベントでもあります。北米ツアーでお越しになる落語家桂三輝さんの公演会場として、在シカゴ総領事館よりお話をいただきました。私の所属先であった東アジア・太平洋研究センターのセンター長が会場を確保して下さり、私はイベントの宣伝に全力を注ぎました。落語という特異な伝統芸能をどのように紹介するべきか、どうしたらより多くの人が見に来てくれるのか悩む日々でした。

そこで、ラジオ、新聞、関係部署のホームページ、学校訪問、知り合いによる口コミなど、思いつくすべての手段で宣伝をしました。学校訪問では、わずかな時間でいいのでと先生にお願いし、落語のプレゼンテーションをさせていただきました。コミュニティーの日本人の方々も、私の代わりに多くの人に口コミでイベントを宣伝してくださいました。そんな努力が実ったのか、当日、200席ほどある会場はありがたいことに満員となり、会場は終始爆笑の渦に包まれていました。改めて観客みなさんの笑顔を見た時、嬉しさのあまり涙がこぼれました。
この2年間、私がJOIコーディネーターとして務め上げることができたのは、私を支えてくださった方々のおかげです。オフィスのみなさん、コミュニティーのみなさん、JOI11期のメンバー、そして日々心地よい生活を提供して下さったホストファミリーには、言い表しようのない特別な思いがあります。苦しい時、私を応援してくれたみなさんのことを私は仲間だと思っています。2年間で広げた日本文化の輪は、仲間と一緒に築き上げたものであり、今後もこの輪が広がり続けることを願います。
最後に、このような素晴らしい機会を与えて下さった国際交流基金日米センター、ローラシアン協会、イリノイ大学のみなさまに心から感謝申し上げます。