サウスダコタ州 South Dakota
州の情報
- アバディーン

州都 | Pierre/ピア |
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人口 | 89万 |
主要都市 | Sioux Falls/スーフォールズ Rapid City/ラピッドシティ |
主な観光地 | ラシュモア山国立記念公園 バッドランズ国立公園 クレイジーホース記念碑 |
州の紹介
元々先住民ダコタ族の地であったサウスダコタ州は、ノースダコタ州と同時に39/40番目のアメリカ合衆国州になりました。州のニックネームであるラッシュモア山は、例年多くの観光客が訪れる観光の目玉で、正面左から初代大統領ジョージ・ワシントン、第3代大統領トーマス・ジェファーソン、第26代大統領セオドア・ルーズベルト、第16代大統領エイブラハム・リンカーンが彫られています。1927年の開始から1941年の製作者ガットスンの死を経て、1991年に完成しました。カスター郡では先住民に敬意を示すべく、1947年から現在までラコタ族伝説的リーダーのクレイジーホースの姿を山に彫る作業が続けられています。
この州に派遣されたコーディネーター
サウスダコタ州での2年間
JOIコーディネーターとして初のサウスダコタ州(ノーザン州立大学、アバディーン)に派遣されました。不安と期待を持ちながら出発日を迎えたことを今でも鮮明に覚えています。
活動の半分以上をパンデミックによってオンラインで行うことになりましたが、そんな中でもアウトリーチの機会を与えてくださった学校の先生方、地域団体の方々、日本からの活動に切り替わった時に手伝ってくれたスーパーバイザー、同僚には感謝の気持ちでいっぱいです。
JOI参加前にアメリカでの留学経験があったので現地での生活にあまり不安はありませんでしたが、中西部には初めて足を踏み入れました。10月初旬に雪が降ったり、自宅のドアが寒すぎて内側から凍った時など、極寒の冬には驚きました。 また、人生のほとんどを東京で過こしてきたこともあり、マウントラッシュモアがあるラピッドシティーを訪れた際は、アメリカの大自然に圧倒されました。
カスター州立公園でバッファローの群れに囲まれたり、バッドランズ国立公園で夕日を見たときは感動して涙が自然と流れました。JOIの活動だけでなく、新しいアメリカを見られたことは私の人生において忘れられない経験です。
サウスダコタ州では日本文化に触れる機会は極端に少なく、自分が日本の代表として日本文化を伝える仕事にとても大きな責任があったことと、コネクション作りなどゼロからスタートに多くの不安がありましたが、スーパーバイザーや多くの先生たち、地域の皆さんのおかげで少しずつですが活動範囲を広げることができました。
小学校訪問、図書館や老人ホームでのクッキングイベント、茶道・書道イベント、ノーザン州立大学での映画鑑賞会、ユーチューブチャンネルの立ち上げ、動画作成、3 時間離れたスーフォールズでの刑務所訪問など沢山の活動の思い出があります。
毎回、「日本の素晴らしい文化を知れる機会をありがとう」と感謝の言葉を各方面から頂きました。その中でも最も力を入れ印象に残っている活動は学校訪問です。一番初めに訪れたモンテッソーリ・スクールは活動を始めるにあたって多くの学びとその後の活動のよい指標になりました。3 歳から5歳の子どもたちと一緒に折り紙で犬を作り、日本の伝統的なおもちゃ(コマ、けん玉、羽子板など)で一緒に遊びました。3 歳から5 歳というとまだアルファベットが読めない子どもたちが多く、身振り手振りでコミュニケーションをとりレッスンをしたことをよく覚えています。
学校訪問で心掛けていたことは、プレゼンテーションで日本の祝日や日本の学校でやるイベントを紹介し、アクティビティでプレゼンテーションに関連のあることや形が残るものを作り、家で親御さんに伝えられる授業作りをしたことです。アバディーンには5つの小学校があり、2 年間の活動ですべての学校の3 · 4 年生を中心に学校訪問をすることができました。


月に数回の学校訪問があり、初めて訪問するクラスでのプレゼンテーションでは「日本の学校生活」について話しました。通学方法の違いや、給食、掃除の時間などアメリカの学校との違いを中心に紹介しました。
また、「起立·礼・着席」を紹介し授業の前後で一緒にやってみたりしました。特に嬉しかったことは、子どもたちが「起立・礼・着席」を気に入って継続してくれたクラスがあったことです。
アクティビティではプチ運動会や子どもたちの名前をカタカナで教えオリジナルの本のしおり作り、節分の鬼のマスク作り、お箸チャレンジなどを行いました。特に好評だったアクティビティのお箸チャレンジでは、ほとんどの子どもたちが箸を使うことが初めてで、最初はうまく使えなかったものの、練習を重ねて、物をつかめるようになった時の子どもたちの笑顔は今でも忘れられません。
色々なアクティビティを行いましたが、毎回子どもたちの想像力と好奇心、チャレンジ精神に感銘を受けました。パンデミックという未曽有の状況になってしまった後も、YMCA とノーザン州立大学の同僚に協力してもらいながら、子どもたちとの交流をオンラインで約 1年続けました。
オンライン授業開始初期は子どもたちの反応が見えづらく、折り紙などの手元で行うアクティビティに難しさを感じた時期もありました。
しかし、回を重ねることに私も言葉選び、カメラアングルなどを工夫し、できるだけオンラインでもわかりやすい授業作りを心掛け、担当者の方から「子どもたちが本当に楽しんで新しい文化に触れている姿を見られて嬉しい。本当にありがとう。」と最後に嬉しいお言葉を頂きました。
さらに、日本からの活動に切り替わった際は、スーパーバイザーの紹介で小学校、高校のクラスでアウトリーチを行う機会もありました。ある日突然スーパーバイザーから日本の自宅に小包が届き、中に小学生からの感謝の手紙が入っていた時はJOIの活動をやっていてよかったと思いました。


パンデミックで思うように活動ができない時期が長かったですが、その分、今自分ができることを試行錯誤しながら模索し、 2年間の任期を終えた今、人として強く成長できました。
また、活動中のサポートから再渡米まで、関係者の皆様のご尽力に感謝いたします。