JOI活動後のキャリアCareer
JOIの活動はコーディネーター個々のバッググランドやスキル、派遣先の地域の状況や受入機関の活動要望などによって“Each site is different”(派遣先によって受け入れ環境や活動内容は様々)を合言葉に、皆さん柔軟性をもって活動に励まれてきました。同様に、「JOIその後」の進路も皆さん様々ですが、これからJOIコーディネーターの応募を考えられている方のご参考までに、先輩コーディネーターたちがJOI終了後の活動について、近況を共有してくださいました。進学される方、日本語・英語の教育や国際交流、留学生支援の分野に従事される方、またそのような分野の自治体や公的機関や非営利団体に勤務される方、民間企業でご活躍される方など様々ですが、それらの一部をご紹介いたします。
公務員
佐賀県庁正規職員(国内)
JOIの活動後、結婚し、佐賀県に移住しました。「SAGA姫プロジェクト」という佐賀県を発信するプロジェクトに参加しながら佐賀県庁にて、オリンピック2020東京大会へのキャンプ誘致に取り組んでいます。出産を経て佐賀県庁正規職員として入庁、引き続きオリンピックの事前キャンプ誘致等を通してスポーツによる地域活性化に取り組んでいます。
進学
大学院生(海外)
JOIプログラム任期満了後、公的機関で日本語教師派遣事業に携わり、その後、米国の大学院に進学しました。「民族・多文化学」と「コミュニケーション学」をダブル専攻しながら、現在は全学部生対象のコミュニケーション学コースを教えています。学外では、多様性・多文化理解を促進するワークショップ・ファシリテーターとして、地域の小学校から高校を訪れ、人種、民族、ジェンダー等の社会問題に関わるトピックについて生徒たちと話す活動や、地域イベントの折り紙ブースのお手伝いをしたりしています。また、2019年1月には、JOIの派遣先であったウォフォード・カレッジの日本研修旅行事業に再び携わる機会をいただき、日本語や日本文化に関する渡米前講義から、日本旅行全日程の引率を担当しました。
大学職員
大学の日本プログラム マネージャー(海外)
JOI終了後は派遣先のウェスタン・ミシガン大学曽我日本センターに進学し、大学院生助手としてアウトリーチ活動を続けました。
専攻は社会文化教育学で、米国や諸外国の教育制度・文化等を学び、修了プロジェクトでは米国で日本文化を紹介するアウトリーチ活動の意義や手法等について考察しました。
JOIでの活動中に出会った今の夫と結婚したため、その後もミシガン州カラマズーに残り、2014年からは同大学の大学職員として、日本語と日本文化のアウトリーチ活動やキャンパスでの日本関連イベントのコーディネート、日本からの留学生のサポート等をしています。
大学グローバル教育センター ディレクター(海外)
テネシー大学チャタヌーガ校は学生数約1万2千人を抱え、ESLプログラムから博士課程までを提供する総合大学です。グローバル教育センターでは海外からの留学生や研究者の受け入れ、本校学生の海外留学、ESLプログラム、ビザ関係の必要文書の発行等のマネジメントを任されています。
着任当初は小さなオフィスでしたが、現在は12人のフルタイムスタッフ、10人の学生サポートチーム、7人のESL講師を抱えるまでの大きなオフィスに成長しました。
また、国務省主催のプログラムを担当する機会もいただき、総額で6千万円ほどの補助を活用し、ヨーロッパを中心としてアントレプレナーシップも推進しています。こちらで出会ったクロアチア出身の妻と中学1年生の娘、小学5年生の息子と、自然に囲まれた豊かな環境で生活を毎日満喫しています。
英会話講師
英会話講師(国内)
JOIプログラムが終了して帰国後、約2年間、英会話学校で非常勤講師として勤めておりました。その後、美容の専門学校での英語クラスの担当を経て、プライベートレッスンや企業の英語のレッスン、シニア向け生涯学習講座での旅行の英会話のクラスなど、英語に関るお仕事をずっとさせていただいております。
外資系企業勤務
外資系企業 プロジェクトコントロールスタッフ(海外)
JOIの活動を終えて帰国後の2010年から昨年まで、韓国の建設会社で働く機会を得ました。
その間、パプアニューギニア、カタール、クウェートの現地プロジェクトにかかわることができ、多くの外国人労働者や現地スタッフと一緒に働きました。
プロジェクトコントロールスタッフとして、文書管理や契約管理、部署内のサポートが主な仕事ですが、外国人スタッフとコミュニケーションをとったり、英語で仕事の管理や報告をしたりと、国際交流とは異なる形ですが、JOIでの経験があったからこそ新たな仕事に挑戦できたと思います。
留学生サポート
大学の留学生サポート担当(国内)
帰国後は、教師として小学校で英語教育の促進や国際交流プログラムなどの発展に努めてまいりました。現在は、大学の国際センターで留学生サポートを担当しています。世界各国からの留学生の受け入れ、日本人留学生の海外留学への送り出し、日常生活におけるサポートなど、留学生に関わる多方面にわたる業務に携わっています。
高校教諭&留学プログラム担当(国内)
プログラム終了後、沖縄へ戻り、臨時教師や一般企業にて勤務しました。
2009年より沖縄県費留学生として米国マサチューセッツ州ケンブリッジにあるレスリー大学大学院課程に進学し、2011年に修了。
帰国後は、沖縄県の高等学校で英語教諭として勤務し、現在は国際科・留学プログラム担当も兼任しています。
大学の留学生サポート(国内)
帰国してしばらくフリーランスの翻訳や会議スタッフなどの仕事に従事した後、桜美林大学で海外留学をする学生支援の仕事に就きました。
その後異動となり、現在は大学や大学院への進学を目指して日本語を学ぶ外国人留学生の学習支援、生活支援を行なっています。異動前の「日本から留学する学生の支援」から、「日本に来る留学生の支援」と正反対の立場となりました。日本人学生との交流、留学生が日本文化を学ぶイベントなども行なっています。
日本語講師
日本語教諭(海外)
JOIコーディネーターの活動終了後、派遣先であるケンタッキー州マレー市からイリノイ州シカゴ市に移りました。日本での教員経験と小学校教育の知識、JOIコーディネーターの経験を活かし新しいことにチャレンジしたいと思い、シカゴ市教育委員会(Chicago Public Schools)と日本総領事館が運営している国際日本語教員プログラムに応募しました。シカゴ市南部の二つの小学校に派遣され、幼稚園から中学生(K-8th grade)の日本語教諭をしております。いまだに毎日が試行錯誤の連続で、大変なことも多いですがJOIコーディネーターの経験を踏まえて、フレキシブルに頑張っています。
大学の日本語講師(海外)
JOIでの活動終了後、受入機関(大学)の大学院に進学し、教育学を専攻。大学の日本語のクラスで教えながら、K-12(幼稚園から高校)での日本文化のアウトリーチも地元の日本人の方や留学生と協力しながら部分的に継続していました。卒業後は、米国テネシー州ナッシュビルにあるバンダービルト大学のアジアスタディーで日本語講師をしています。2019年8月には同大学教育学部ピーボディーの教授やテネシー州の元教育長と一緒に兵庫教育大学との提携プログラム「日本の教育長、校長先生のためのリーダーシッププログラム」を開催しそのコーディネーター兼通訳を務めました。今後も地域の日本語教育、地域との連携、日本人社会や日系企業と大学との繋がりづくりにも貢献していきたいと思っています。
日本語パートナーズ(海外)
JOI終了後、国際交流基金の「日本語パートナーズ」の一員として、タイの高校とベトナムの中学校にそれぞれ一年派遣されました。日本語や日本文化を体験してもらう授業を通して、毎日生徒や校内の先生たちとの交流が深まりました。その後もJOIや日本語パートナーズで培った経験を活かし、海外に出向いては学校訪問して生徒たちに日本文化を体験してもらう授業をやってきています。この一年間でも、タンザニア、タイ、米国ハワイの高校などを訪問して授業を行なってきました。また来年は東京オリンピック・パラリンピックに関連した各種のボランティアを行う予定です。JOIを経験することで、それまでのビジネスの世界で得られた社会とはまったく異なった社会や人々に見開かれ、そして積極的に世界の人たちに声を掛ける自信や喜びをもたらしてくれたと思います。このことは、人生100年社会とも言われる現在、高齢者となった私にとって、とても貴重な転機でした。これからも様々な形で世界の人々との交流や日本文化を理解していただくお手伝いをしていきたいと思っています。
大学の日本語講師(海外)
帰国後、故郷福島県で就職した後、大学院へ進学し、日本語教育学の修士を取得しました。
2012年秋から日本語講師として、米国ノースカロライナ大学シャーロット校に勤務しています。
日本語講師(国内)
出発前の職に戻りました。名古屋YWCAにて日本語教育に携わっています。
また愛知や名古屋を知ってもらうためのイベントにボランティアスタッフとして参加しています。
国際交流ボランティア
JICA企画調査員(海外)
現在は国際協力機構(JICA)のウガンダ事務所で、ボランティア事業/教育分野の支援活動を行っております。米国との状況は違いますが、草の根大使として、現地の人と同じ視点に立ち、相手を尊重し、相互理解を促進していくという一目においてはJOIでの経験と大きく重なる部分があると感じております。派遣先で、大学運営の現場に立てた事は、今後の仕事での大学間連携事業にも活かされる知識で、JOIでの経験を活かせる場所は無数に広がっていると思います。
青少年派遣事業担当(国内)
私はインディアナ州にあるインディアナ日米協会に派遣されていました。帰国後は、インディアナ州リッチモンドと姉妹都市関係にある島根県雲南市で教育支援コーディネーターとして勤務し、青少年派遣事業に従事しています。インディアナ州と雲南市の架け橋になれるよう活動していると共に、JOIの2年間で得た「チャレンジする楽しさ」を日本の子どもたちに伝え、子どもたちの学びをサポートしています。帰国した今でもインディアナとの絆を感じることができるのは、JOIに参加したからこそだと思っています。
岐阜県青年国際交流機構会長(国内)
JOIの任期後、派遣先であるオハイオ州シンシナティの会社の日本支社設立に携わりました。その後国際交流基金で青少年育成に関する日米交流事業や、内閣府グローバルリーダー事業「シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ」教育コースの担当を経て、岐阜県で高校教諭として勤務しました。JOIプログラム参加前から携わっている岐阜県青年国際交流機構の会長職に 2017年8月就任し、地域の国際化、多文化共生、青少年育成などのボランティア活動を続けています。
国際交流ボランティア(国内)
帰国後8年間、都内の難民センターで「生活ガイダンス講座」非常勤講師を務めました。
現在は新潟県上越市在住です。上越国際交流協会のボランティアとして、「じょんなび(上越外国人医療支援プロジェクト)」を立ち上げ、地域に技能実習生等で在住あるいは観光で来られた外国人の方が、病気や怪我で医療機関にかかる際の敷居を低くするため、多言語でのコミュニケーションのサポートをしています。